忍者の里はひっそり弾む
私はここの 生え抜きであります
生まれも 育ちもここ
うちはポツンと一軒家 だが
里には それなりに 集落があり 村をつくっている
当然 村が点在して 町を作っている
その町の人々が 一番の僻地と定めるのが
私の住む村
町役場まで 車で10分
その距離ならまだまだ 不便なところはあるけれど
これがまた
こんな所に ポツリと一村なのであります
山々を 分入った所に ポツリと存在する 閉ざされた 集落
そこへ よそ者夫婦が流れついたのです
それも 北の果てと 大阪のど真ん中から
北の果ては 知名度ゼロ
大阪のど真ん中は 知名度がありすぎて
結局 どこの馬の骨ともわからない夫婦者が
世を忍んで ではなく
以後 よろしくと 空き寺めがけて
ドカドカと正面から移住してきたのです
村始まって以来の珍事となった訳です
閉鎖的な村で さぞ苦労したかと思いきや
さすがに 忍びの里
ある意味 外に開けた文化が 形成されていたようで
何事も スケールの大きい 大雑把な 北の人と
白黒はっっきりのつけたがる 大阪商人
両者をそれぞれ
面白いものを見るように
不思議がられ 呆れられながられ
半世紀
途中 里に 私を 産み落とすのですが
そんな訳で わたしには
忍びの血が ちっとも入ってないのであります
申し訳ない